
プレミアムエコノミーの歴史は、日本に就航していたヴァージンアトランティック航空が1992年に導入したことから始ります。最初はミッドクラスと名乗っていましたが、1994年から『プレミアムエコノミー』を名乗るようになり、このクラスの名称として一般にも広がることとなります。エコノミークラスとビジネスクラスの中間クラスにあたるプレミアムエコノミー。エコノミークラスとの違いを簡単に言えば、シートピッチ(座席の間隔)とシート幅が広いことと、多くの場合はプレミアムエコノミー専用のスペースがある為、落ち着いた雰囲気であることです。ただ長い間多くの航空会社はこのクラスの導入には踏み切らずにいました。その流れが変わったのは21世紀に入ってからです。流れが加速したのは、2008年のリーマン・ショック後です。世界的な不況によりビジネスマンの多くは費用の面で、ビジネスクラスに乗れなくなりました。そこで注目されたのが、プレミアムエコノミークラスです。プレミアムエコノミークラスの運賃なら会社の経費で購入が可能とのことで、そんなビジネスマンのおかげで、人気に火がつきました。ヴァージンアトランティック航空が導入したプレミアムエコノミーは座席配列が2-3-2でシートピッチが97cm。同じ機材のエコノミークラスは2-4-2の配列なので、プレミアムエコノミーは横1席分少なく、パーソナル空間にゆとりがありました。それ以外にも調整可能なフットレストやレッグレストなども標準装備されました。この仕様がその後の各社のプレミアムエコノミーの基準となります。